今回は「課題発見力」がテーマです。
みなさんの職場では、課題解決できていますか。プライベートな課題は、解決できていますか。
課題解決は重要性が高い半面、緊急性(いつまでにやらねばならぬなど)が高くないために、つい棚上げになってしまいがちです。実態としては、重要性が低いにもかかわらず緊急性が高いこと(ムダな会議など)が優先されてしまっているのではないでしょうか。
しかし、仕事が増え複雑・高度化している現在、課題解決しなければ、メンタル面で支障をきたすメンバーが出かねません。 そのような環境の中、課題解決の重要性がたいへん高まっています。
では、さっそく「課題発見力」を「わかる」から「できる」へと強化するワークについて見ていきましょう。
はじめに「課題発見力」の内容、例、着眼点について、再確認しておきます。
【内容】(経済産業省「中間報告」より)
現状を分析し目的や課題を明らかにする力
【例】(経済産業省「中間報告」より)
目標に向かって、自ら「ここに問題があり、解決が必要だ」と提案する。
【着眼点】(「社基塾」作成)
①洗い出し
多面的な視点(人:担当者・管理職、業務:分担・効率化、組織:職場環境・制度 など)から、職場に潜んでいる課題をもれなく洗い出している。
②現状分析
課題を単に「問題あり」と指摘するのではなく、客観的テータや具体的事実にもとづいて課題の悪さ加減を明確にし、対策の必要性を訴えている。
③原因究明
「なぜ?」を繰り返したり「特性要因図」を用いたりしながら、課題を引き起こしている「真の原因」を究明し、「原因を除去する対策」へとつなげている。
さあ、どうでしょうか。「基礎力と侮るなかれ」ではないでしょうか。
研修などでお会いする多くの方々も、これに全てができているという方は、それほど多くはありません。 そこで、これらを「わかる」から「できる」へと進化させる具体的なワーク内容として、次のようになります。
【ワーク①】
このワークでは、ビジネス版とプライベート版に分けていろいろな分野を用意しています。その分野ごとに課題を洗い出していただきます。多くの課題を書き出す方とあまり書き出せないで首をかしげている方、いろいろな分野からまんべんなく書き出す方と一部の分野に偏る方など、いろいろな方がおられます。 このワークを通して、自分は課題発見できるか、他のメンバーと比べてどうか、実際自分には何が課題なのか、などについて明らかにしていただきます。
【ワーク②】
続いてこのワークでは、洗い出した課題の現状を把握していきます。単に「問題だ!」と指摘するのではなく、同問題なのかということを客観的データ・具体的な事実により明らかにしていく手法を学んでいただきます。 この工程により、課題への対応の必要性を自分自身に対して、他の関連部門などに対して、明らかにすることができるのです。
【ワーク③】
最後のワークは、特性要因図による原因の究明です。課題を洗い出したならば、10人中8人くらいまではすぐに対策を考え始めます「じゃあ、どうしようか」と。しかし、これが落とし穴です。勘で対策を立てても、時間や労力のムダになるリスクが高いのです。「やったけど効果が上がらず、課題はそのまま」なんてケース、心当たりありませんか。
対策というのは、原因を取り除くことです。そして、原因を取り除くためには何が原因なのかを究明する必要があるのです。ここで威力を発揮するのが特性要因図です。実際にホワイトボードを使って特性要因図を描いていただくワークをやりますと、当初は戸惑われますが、そのたち「ああでもない」「こうでもない」と、大いに盛り上がります。
ちなみに、特性要因図を作成するスキルを強化したければ、ヤフーなどの検索エンジンにて「特性要因図」と入力して検索してみることをお勧めします。ただし、初期設定の「ウェブ検索」ではなく「画像検索」です(ヤフーの場合、検索用の窓の上)。そうすると、数え切れないほどの特性要因図が表示されます。多くの特性要因図を見ることが、一番の近道なのです。 (文責:古木)