■ごあいさつ
風薫る5月は瞬く間に去り、梅雨の季節を迎えています。いかがお過ごしでしょうか。
先月から新型コロナも5類感染症となり、みなさんの身の回りも日常生活を取り戻しつつあるのではないでしょうか。
研修方式もオンライン方式から対面式が復活し、先月も2回ほど福岡へ出張いしました。羽田空港も、以前の賑わいを取り戻しつつあるようでした。
■新聞の効用
そのような中、先日、大手新聞社の管理職研修に登壇する機会に恵まれました。ある程度は予想はしていましたが、受講者のレベルの高さに驚かされました。講義を真剣に聴く姿勢、個人演習での書き出し内容のレベル、チーム演習での積極的な意見交換、理路整然とした全体発表など、こちらも大いに学ばせていただきました。
このような方々が作る新聞の購読者数が減っていることは、残念でなりません。原因のひとつは、ネットニュースだと思います。そこで今日は、毎回の研修でもご案内している「3つの新聞の効用」についてご紹介したいと思います。
「効用その1」は、物事を「広く考える習慣」が身につくことです。興味ある情報だけをクリックするネットと違い、多様なジャンルの情報が掲載されています。そのような記事が自然に目に入り、視野が広がります。テレビCMではありませんが、まさに「365日分の差は大きい」と思います。
「効用その2」は、情報に対して「Why?How?」と物事を「深く考える習慣」が身につくことです。もちろんネットニュースでも可能ですが、つい「What/Who/Where/When」に関心がいってしまいませんか。
また、こんな気になる実験結果もあります。PC画面に表示されているテキストデータを見ても「脳の中の分析する部位」が「活性化していない」というのです。一方、新聞や本のように光の反射により文字を認識する場合には分析する部位が「活性化している」というのです。
これはPC画面を見ながら考えるという習慣が今までなかった一方、新聞や本を読みながら考えるという習慣は何世代も前から続いていることと関係しているのではないでしょうか。
こんな経験はありませんか。ネットで調べごとをしていたところ貴重な情報がヒットし、スクロールしながら読んだが頭に入らない。そこでプリントアウトして読んだところ、スッと頭に入ったといようなこと。私にはよくありますが、そういうわけだったのかと納得しました。
「効用その3」は、「文書力」が向上することです。最近の若手は文書を書くことが苦手とも言われます。「簡潔でわかりやすい文書」を「アウトプット(書く)」する一番の近道はそれを「インプット(読む)」(ただし、書くことを意識しながら)することだと思います。その代表が、新聞というわけです。
ある受講者からは「私の仕事は、新聞とはあまり関係がないと思うのですが…」という反応をいただいたことがあります。「もっと成長したい、もっと貢献したい」という気持ちさえあれば、どんな仕事にも新聞は役立つと思います。
他にも、いろいろな効用があるかと思います。今後も、ネットニュースとうまく使い分けるよう心がけていきたいと思います。
■おわりに
これから梅雨そして夏と厳しい季節を迎えますが、どうぞお身体をご自愛ください。