今回からは、社会人基礎力を育成するための「評価基準」について見ていきたいと思います。
「評価基準」については、「中間取りまとめ」の中でもたいへん重要視していることが、数多くの言及、特に下記の記述からもよくわかります。
①「社会人基礎力を評価・人材育成の土台とすることにより、多様な人材がそれぞれの強みを発揮することを通じて社内の総合的な人材力の向上に大きな成果を期待できる」
②「社会人基礎力をベースとしたフィードバックシートの活用などが重要である」
③「社会人基礎力の成長に関する評価を行う手法の開発・普及が求められる」
私は「評価制度」をテーマとした研修にも数多く登壇しており、ちょうど先週2回登壇し、再来週も2回登壇する予定です。これらの経験と「社会人基礎力」に対する理解にもとづき、12の能力要素の 「評価基準」に挑戦していきたいと思います。
「評価基準」を明確化する効果としては、
①組織/上司から「求められている能力・姿勢」を明確化すること
②現在「発揮できている能力・姿勢」を、自己評価および上司評価により明確化すること
③「自己評価<上司評価」の場合は自信を持ち「自己評価>上司評価」の場合は正しいフィードバックを受けること
④今後の各能力要素の「目標レベル」を明確化すること
⑤各能力要素を目標レベルまで到達するための「育成計画」を策定すること
などと、計り知れない効果があると思います。 また、この「評価基準」を明確化することなしには「社会人基礎力」の普及・促進は望めないと思います。
ここで、評価制度の意義について誤解がないように確認しておきたいことがあります。それは、評価制度が「過去の評価」のためではなく「今後の育成」のためであるということです。「人が人を評価するなんて反対!」という考えもあるかも知れませんが、これは誤って運用されている場合です。
「評価基準」は、組織が必要としている能力・姿勢を明確化し、果たして自分がそれを十分に発揮しているかについて自己および上司の視点から確認し、今後目指すレベルとそれを達成する手段について話し合う強力な「育成ツール」なのです。
今後の具体的な進め方としては、次のように予定しております。
①12の能力要素について、3つずつの着眼点を明確化していきます
②着眼点ごとの評価基準(5段階)を設定します。
新たな挑戦ですので、どのような展開になるか私にもわかりません。 しかし、若手の育成に関心がある方には、お役に立てるのではないかと思います。どうぞご期待ください。 (文責:古木)