さて今回は、「チームで働く力」の3つ目の能力要素「柔軟性」を取り上げていきたいと思います。
「柔軟性」(12の能力要素から)
【内容】(「中間とりまとめ」より)
意見の違いや立場の違いを理解する力
【例】(「中間とりまとめ」より)
自分のルールややり方に固執するのではなく、相手の意見や立場を尊重し理解する。
【着眼点】(「社基塾」オリジナル)
①素直さ・謙虚さ
自分の考えを多面的な視点からふり返り、チームメンバーからの意見やアドバイスにも自ら耳を傾け、納得した場合には自分の考えを修正している。
②自己研鑽の習慣
現在の自分の考えに満足せず、よりよい考えを模索するために、新聞・本・教養番組などを活用し自己を研鑽する習慣を身につけている。
③多様性の受容
メンバーの多様性(性別、年齢、価値観、生き方、考え方、性格、態度、国籍など)を受け容れるとともに、それを活用するよう心がけている。
さあ、あなた自身の各着眼点のポイントは、何点でしたか。
あなたが育成すべき対象者に対しては、何点と評価しましたか。
「柔軟性」に対する3つの着眼点の合計ポイントは何点でしたか。
【活用ストーリー】
育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、育成対象者Iさんとの面談にのぞんでいました。
Iさんの自己評価をきいてみると、次の通りでした。
①素直さ・謙虚さ : 4ポイント
②自己研鑽の習慣 : 4ポイント
③多様性の受容 : 4ポイント
一方、育成リーダーである社基 力(やしろもと つとむ)リーダーは、次のように評価していました。
①素直さ・謙虚さ : 4ポイント
②自己研鑽の習慣 : 4ポイント
③多様性の受容 : 4ポイント
社基リーダー
「Iさん、あなたがチームの取りまとめ役、潤滑油になってくれて助かってますよ。柔軟性に対する私の評価は、すべて4です。これからも、その調子でお願いします。」
Iさん
「ありがとうございます。私も柔軟性は重視していますので、高い評価をいただけてうれしいです。」
社基リーダー
「今日は育成のための評価面談だから、ほめるだけじゃ物足りないよね。今後のアドバイスもさせてもらおうかな。」
Iさん
「リーダー、ぜひお願いします。」
社基リーダー
「Iさんのそういう姿勢が、まさに柔軟性なんだよね。
さて、アドバイスとしては、優柔不断と柔軟性の違いについてだよ。相手の意見や立場を理解するとはいっても、最終的にそれを判断するのは自分だからね。表面上は柔らかく相手の意見をきき、しかし内面はしっかりとした主体性を持っているというのが理想だね。私はそれを逆タコ焼き型と呼んでいるんだよ。」
Iさん
「えっ、逆タコ焼き型?」
社基リーダー
「そう、おいしいタコ焼きって、どんなかな?」
Iさん
「表面がカリカリと固くて、中はドロッと柔らかいことですね。」
社基リーダー
「そうだよね。そこで、正しい柔軟性はその逆ってわけさ。表面上は柔らかく他人の意見もききながらも、内面には強い主体性を持っているってことが大切なんだね。だから、柔軟性と主体性をセットで強化するといいよね。そうするとストレスコントロール力も高まってくるんだよ。」
Iさん
「へ~え、12の能力要素って、お互いに関連しあってるんですね。ところでリーダー、おいしいタコ焼きが食べたくなっちゃいましたよ。」
社基リーダー
「私もだよ。この間、おいしいタコ焼き屋をみつけたから、そこへ行ってみよう!」
Iさん
「賛成!」
タコのように柔軟な2人でした。