■ごあいさつ
いろいろお世話になっております。
日本キャリアート株式会社の古木です。
激動の1年が終わろうとしています。今後も余談を許しませんが、まずはお疲れさまでした。ぜひ来年は、コロナも克服され、オリンピックも無事に開催される、そんな1年になることをせつに祈るばかりです。
さて本日は、ストレス対策コースのひとつである「柔軟性」についてみていきましょう。
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■本日の主な内容
1.「6つの帽子思考法」とは
2.だれでもできる簡単なやり方
3.驚きの効果
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1.「6つの帽子思考法」とは
初めて聞いたという方が多いと思いますが、これはエドワード・デ・ボーノ博士(創造的思考法の権威)が唱えた視点を変えて考える発想法です。たいへん興味深く、きっとお役に立つと思いますので、紹介させていただきます。
具体的には、人それぞれの性格や価値観を6つの色の帽子に分け、メンバーそれぞれが決められた立場で発言する思考法のゲームのようなものです。
私がこの思考法に出会ったのは、約10年前です。大手セメント会社のリーダー研修に登壇したときでした。やってみて、その成果に目を見張りました。自身も驚きましたが、受講者の反応もたいへんよかったことを今でも強烈に覚えています。
ポイントとなる「6つの色」それぞれの役割をご紹介します。
➀白い帽子:中立・客観的で、事実と数値への重視するタイプ。
➁赤い帽子:情熱・感情的で、思ったままの感情的なタイプ。
➂黒い帽子:生真面目・思慮深く、警戒と注意を促すタイプ。
➃黄色い帽子:明るい・積極的で、肯定的なタイプ。
⑤緑の帽子:成長・創造的で、新しい考え方をするタイプ。
⑥青い帽子:冷静・超越的で、プロセス全体を構成するタイプ。
さあ、あなたは、どのタイプですか。
あなたのまわりの方々は、どのでしょうか。
あなたにとって、どうも理解しがたいというのはどのタイプですか。
2.だれでもできる簡単な方法
では、進め方を見ていきましょう。一般的には、まず6人で自分の色を決めます。帽子が用意できればよいのですが、色を書いたプレートや名札でもOKです。
話し合うテーマを決め、それぞれの立場から意見を述べていきます。
例えば、
青:「今日は、ミーティング時間を30分以内にしようという会議ルールについて話し合いましょう」
赤:「賛成です、ミーティングが長くて業務に支障が出ています」
黄:「生産性向上のためにも、ミーティングの時間をルール化するというのはよい意見だと思います」
白:「そもそも、現在ミーティング時間はどのくらいかかっているのでしょうか」
緑:「ミーティングを見直すのなら、時間だけではなく、開催頻度とか参加人数とか資料枚数とか、いろいろこともルール化してはどうでしょうか」
黒:「ちよっと待ってください、どうしても長い時間をかける必要があるミーティングまで30分で打ち切りにしてしまうことがないように注意が必要です」
というようなイメージです。
別の方法としては、全員が同じ色で話し合います。
たとえば、全員が赤だと。「いいじゃんいいじゃん、やろうよ」「そうだよね、やってみなきゃわかからないし、やってみよう」など。
全員が黒の場合。
「そもそも必要だからミーティングを開くわけだから、時間を決めるのはどうかと思います」「30分に短縮されても、生産性はそんなに変わらないと思います」など。
3.驚きの効果
やってみて、自分の心境の変化に驚きました。
自分と違う考え方の色の帽子をかぶったときは「あの人はいつも自分と意見対立していたけど、そういう考え方をしていたのか」と、相手を受け入れる「柔軟性」の気持ちが湧き上がってきました。
一方、いつもの自分タイプの帽子をかぶっているスタッフに対しては「何を言っているんだ、違うでしょ」と、自分を客観視する「謙虚さ」に気づかされました。
また、赤や黒など全員が同じ色の帽子をかぶると、「すんなり決ったけど、果たしてこれでいいんだろうか」という疑問が残り「ダイバーシティ(多様化)」の必要性を痛感することができました。
興味を持たれたら、下記の参考図書を読んだり、サイトを参照したりしてみてください。決して難しい方法ではないので、職場で気軽にやってみることをおすすめします。
◆参考図書:「6つの帽子思考法」 エドワード・デ・ボーノ博士著
■おわりに
激動の1年が終わろうとしています。来年は、どのような年になるのでしょうか。社会の安全・安定、あなたの健康とご活躍を祈念しながら、今年最後の投稿とさせていただきます。
次回は、リーダーとしての役割を認識する「情況把握力」についてみていきたいと思います。