2014年7月1日
2012年に京都大学の山中伸弥教授が「ノーベル生理学・医学賞」を受賞されました。これは今後の再生医療の分野において、画期的な功績です。山中教授の粘り強い研究姿勢と社会貢献に対する謙虚な姿勢には頭が下がります。さて、この「iPS細胞」の特徴について、山中教授は「高い増殖能力」と「高い分化能力」だと著書の中で示されています。この「増殖力」「分化力」という言葉を読んだとき、私は「ハッ」としました。これは、もしかしたら「社会人基礎力」と共通点が多いのではないかと感じたのです。
ご存知の通り、「社会人基礎力」は3つの能力、12の能力要素から構成されています。それぞれの能力要素は、最初は小さな力しか持っていませんが、一度その能力を身につけたうえでいろいろな経験や研鑽を積んでいくことによって、大きな力へと「増殖」を繰り返していく性質を持っているのです。また、ひとつの能力要素が他の能力要素へ刺激・影響を与えることによって、他のいろいろな能力要素へと「分化」していく性質もあわせ持っています。これらの性質をふまえて恐れながら名づけさせていただくならば、「社会人基礎力」=「iPS能力」と言えるのではないでしょうか。
しかし「iPS」を名乗るならば、「iPS細胞」が医学分野で貢献しているように、「iPS能力」にも社会貢献してもらわなくてはなりません。そこで次回からシリーズとして、最近注目されている社会的テーマに対して「社会人基礎力」活用の視点からみてみたいと思います。具体的には、「地方創生」「女性の活躍」「働き方の多様化」「高齢化・定年」「家庭問題」「ニート・フリーター」などを予定しています。ぜひ、ご一緒に考えてみませんか。(文責:古木)