2月7日から2月24日(現地時間)まで、17日間開催されたソチ冬季五輪が閉幕しました。日本が獲得したメダル数は長野大会に次ぐ8個と、10代の若者から40歳以上のベテランまで幅広い世代の選手たちが活躍してくれました。アスリートのみなさん、勇気と感動をありがとうござました。
さて、オリンピックにはいろいろな楽しみ方があると思いますが、ここでは「社会人基礎力」の視点からみてみたいと思います。「社会人基礎力」を構成する3つの能力(「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」)の観点から最もその力を発揮した選手を選び、これからのお手本とさせていただきたいと思います。
まず「前に踏み出す力」では、フリースタイル女子モーグルに出場した上村愛子選手です。彼女は、前回のバンクーバー冬季五輪にて「何で、こんなに一段一段(7→6→5→4位)なんだろう」という言葉を残し、今回再チャレンジしました。まだ開会式の興奮冷めやらぬ中、決勝が行われました。上村選手は難コースを積極的に攻めて、出場選手中で最も早くゴールしました。しかし、審査ではスピード以外の要素も加味されます。最後の選手が滑る直前まではメダル圏内だったものの、最後の最後になってまたもやメダルの夢が消えてしまいました。
しかし彼女のインタビューでは、意外にも「清々しい気持ち」という言葉が何度も飛び出していました。指で涙を拭うしぐさをしながらも、その表情からは「清々しい気持ち」がはじけていました。元アルペンスキー日本代表で今回NHKにて解説を務められた皆川賢太郎氏(上村選手の夫)の言葉がたいへん印象的でした。「今までのオリンピックはだれかのため、ソチは愛子のため。だから『清々しい気持ち』になれた」と。
これからは若手の指導者として、また皆川氏と力を合わせて二世を育て、今度こそメダルの夢を叶えられることを期待しております。次回では、「考え抜く力」を発揮された方を取り上げてみたいと思います。どうぞ楽しみにしていてください。(文責:古木)